フェルメール『水差しを持つ女』
フェルメールの『水差しを持つ女』の模写です。
板にキャンバスを張り白亜で地塗りをした半吸収性の支持体を自作しました。
サイズは:44.5×39.5cmです。
本物よりもタテヨコのサイズを1cm以上小さくしています。
縦横比はほぼ同じとしています。
メディウムはブラックオイルを作り、メギルプを自作しました。
ベースとした乾性油はリンシードオイルです。
基礎情報
オリジナル1663~65年 油彩
カンヴァス 457x406mm
メトロポリタン美術館 所蔵
レプリカ 2016年 油彩
板に麻布 白亜地
変形(446x395m)
作品解説
『窓辺で水差しを持つ女』の隠喩
左から光が差す室内に立つ女性という、おなじみのテーマである。
女性は右手を窓枠にかけ、左手でテーブルの上の水差し(純潔や節制の象徴とされる)の取っ手をつかみ、窓の外に水差しの水を捨てようとしているかに見える。
テーブルの上の宝石箱は虚栄を表すモチーフである。
女性は「節制」を捨て、「虚栄」に走るべきかどうかの岐路に立っているのであろうか。(ウィキペディア)
古典技法の学習教材
古典技法を習得するための良い教材がある。オススメです。
支持体の作り方から、メディウム、絵具についてまで詳しく知ることができる。
手順通りに従って描けば油彩画初学者でも容易に描けるように紹介されている。
[DVD名画に学ぶ油彩画技法シリーズ]
第一巻 フェルメール「レースを編む女」
合資会社 俵屋工房 高橋 亮馬 監修
フェルメールと透視図法 2
補正されたテーブル
この絵には『牛乳を注ぐ女』と同じ六角形テーブルが描かれています(図1参照)。
このテーブルの本来見えるはずのない左側面が描かれています。
パースラインに補正を加えているのです。
これは、窓のある壁とテーブルとの間の空間を強調し、行き感を出すために施した補正だと思われます。
消失点の抽出
先ず、窓の枠から開いた窓の消失点と消失線を求めます。
次に部屋の消失点とテーブルの消失点を求めます。(図2参照)
このテーブルが例の六角系のテーブルであるとするならば、テーブルの消失点は、部屋の消失点と同じ位置に来るはずです。(図3参照)
ピンクの線で描かれたテーブルの形状が線透視図法による正しい形状となります。
この様な微調整を、フェルメールは『牛乳を注ぐ女』でも行っています。窓のサッシと、六角系のテーブルにその後が見られます。
ブログランキングに参加しています。もし、記事を気に入ってくださいましたら、「ポチッ」とお願い致します。皆さまの応援が記事を書く意欲につながります。